2 中 央 診 療 施 設 等

病理学第一講座

【過去5年間の実績等】
1. 講座の特色等
 大学附属病院開院以来、 院内措置として病理室が設置されていたが、 病理組織診断および病理解剖は、 本講座と病理学第二講座が協力し、 大学院生を含めた教室員全員が分担している。 病理解剖数は年々減少傾向にあり、 この5年間では、 年間50体前後でほぼ横這い状態である。 一方、 病理組織診断件数および術中迅速診断件数は年々増加しており、 年間平均4,300件ほどになっている。 近年の専門分化した診療各科の要望に対応すべく、 電子顕微鏡的検索・特殊染色および免疫組織化学的検索等の詳細な検討を要することが多くなってきている。 このような病理学的検索によっても診断に苦慮する症例に関しては学外の専門施設へコンサルトすることにより補っている。 H10年度に病院病理部が開設されたが、 人員等の不足が否めず、 従来どおり両講座が分担する形でサポートしている。 また地域医療の中核的機関としての役割から、 開学時より外来病理組織診断部を設けて、 地域の公・私立病院や施設から広く病理組織診断を受付てきたが、 受付件数は年々増加し、 H11年度には年間12,000件強となっている。

2. 地域医療への貢献
 病理学第二講座と協力し、 外来病理組織診断部を設けて、 宮崎県内の多数の病院・施設の病理組織診断を受け入れている。 病理解剖施設の整った病院では、 病理解剖を行い、 さらに病理組織標本の作成可能な病院へは、 随時病理医を派遣し、 病理組織診断・術中迅速診断を行っており、 地域医療に貢献している。 また現在、 県立宮崎病院・県立日南病院へ病理医を出向させている。

【点検評価】 (取組・成果・課題・反省・問題点)
 本学では、 病理学講座は基礎講座として位置づけられており、 他の診療科・講座に比して人員は少ないが、 病院病理部・病理学第二講座と協力して、 院内外の病理組織診断・病理解剖を積極的に行ってきている。 病理解剖率は低下してきているが、 病理組織診断件数は年々増加し、 かつ求められるレベルも高くなっており、 現員では教育・研究との時間配分が難しくなってきている。

【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】
 病院病理部の人的充実と、 大学院生を含めた講座のマンパワーの増加、 さらに学内外の講座や教育関連病院との連携を深めることにより、 臨床のニーズに応えうる病理診療業務を目指したい。

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