2 中 央 診 療 施 設 等

病 理 部

【過去5年間の実績等】
1. 施設の特色等
 病理室という院内措置の名称のもと、 本学付属病院開院とともにスタートし、 平成10年4月に部長1名 (併任)、 副部長1名、 技師3名にて病理部となった。 しかし実際的には病理医定員1名では診断、 剖検業務の遂行は不可能であり、 稼動環境はスタート時の体制と同じで、 病理学第1、 2講座教室員全員 (一部大学院生も含む) で分担している。 現在、 剖検数は年間50体前後 (剖検率30%前後)、 病理組織検査件数は4300件前後、 術中診断は250件前後、 診断の為の作成ブロック数は12000前後であるが、 専門化した診療各科の要望に対応するため、 電顕や特殊染色、 ことに免疫組織化学的検査法などを用いて診断する機会は増加の一途をたどっている。 診断困難な症例では病理医間の積極的な討議と専門病理医へのコンサルテーションにて対応している。 また、 神経放射線カンファレンスでは病理所見を担当し、 骨病変の診断にあたっては担当整形外科医とX線像を含めた検討をするよう努め、 術前のFNA細胞診断にも対応している。 剖検症例についてはすべて所見会が行われ、 臨床科との討議の場となっている。 AIDS症例の剖検にも対応している。

2. 地域医療への貢献
 病理学第1、 2講座に協力して宮崎県内の多数の病院・施設の病理組織診断を行っている。 また、 要請に応じて院外からの術中診断、 剖検も受け入れている。

【点検評価】 (取組・成果・課題・反省・問題点)
 最小限の人員で、 病理学第1、 2講座と協力して、 院内外の病理組織診断・病理解剖を積極的に行ってきている。 教育・研究病院としての大学付属病院の維持すべき診療 (病理も含めて) レベルを考えるとき、 両講座の協力は不可欠だが、 同時に講座の負担になっているのも確かである。 また、 病理医のサブスペシャルテイーの充実による教育、 研修、 診断への貢献は大きなものがあると考えられるが、 現人員ではなかなか実現困難な現状である。

【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】
 限られた人員ではあるが、 専門化した診療各科の要望に答え、 治療にとって有益な最終診断がレポートできるようさらなる努力をしていきたい。 先に述べたごとく、 病理医の各サブスペシャルテイーの充実にはまだマンパワー (ポストを含めて) の解決されるべき問題があり時間がかかると思うが、 合同の鏡検会や外科病理勉強会 (抄読会)、 精度管理を通して互いの質の向上を図り、 レポートも症例によっては疾患の生物学的悪性度、 予後、 治療への示唆を含めるなど、 より臨床のニーズに答えられるものにしたい。 また、 小カンファレンス等を介して臨床各科ともさらに連携を深めていきたい。 各科からのスーパーローテートもできる限り積極的に引き受け、 病理について学んでもらうと共に、 将来の相互交流にもつながればと願っている。

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