1 診   療   科

皮 膚 科

【過去5年間の実績等】
1. 診療科の特色等 下記診療体制説明の中に記述。

2. 診療体制
(1) 外来患者診療
特殊外来:月曜日は皮膚外科を中心とした特殊再来日。 外来手術件数は平成7年434件、 平成8年435件、 平成9年456件、 平成10年438件、 平成11年528件であった。

一般外来:紹介制を原則として水曜日、 金曜日。 平成7年 (1月〜12月) 総外来患者数14,864人 (初診1,394人、 再診13,466人)、 1日平均59.9人、 平成8年総外来患者数14,857人 (初診1,354人、 再診13,503人)、 1日平均60.6人、 平成9年総外来患者数14,337人 (初診1,250人、 再診13,087人)、 1日平均58.5人、 平成10年総外来患者数14,020人 (初診1,278人、 再診12,742人)、 1日平均 (月曜日を含む) 96.4人、 平成11年総外来患者数14,135人 (初診1,193人、 再診12,942人)、 1日平均 (月曜日を含む) 97.5人であった。
(2) 入院患者診療
 本県では〈第一線医の外来患者主体〉−〈県基幹病院での外来入院治療主体〉−〈大学病院での重症入院患者主体〉という地域医療システムが実働しているので、 必然的に大学病院には悪性腫瘍、 重症熱傷、 膠原病、 広範囲母斑・母斑症など高度の治療を必要とする患者が入院している (図1・2)。 入院手術例数は平成7年87例、 平成8年95例、 平成9年108例、 平成10年136例 (うち緊急手術3例)、 平成11年120例 (うち緊急手術7例) であった。
 なお、 平成10年から各種レーザー機器を導入しており、 血管腫、 母斑・母斑症等のレーザー治療が外来・入院患者で増数している。
3. 高度医療
 血管腫に対する色素レーザー療法、 皮膚の色素異常症に対するルビーレーザー療法、 水痘ワクチンによるNK活性賦活療法を行っている。

4. 地域医療への貢献
 教授、 助教授を中心に各種講演会に積極的に参加した。
 また、 土呂久の慢性砒素中毒症検診、 清武町の日光皮膚癌検診を行っている。

【点検評価】 (取組・成果・課題・反省・問題点)
 本県の皮膚科では開業医−県立病院−大学病院の役割分担がうまくいっているおかげで患者さんに余分な負担をかけることが少なくなり、 お役に立てていると自負している。 特に重症熱傷に関しては、 県全体の熱傷センター的役割を担い、 またATLや悪性黒色腫などの悪性腫瘍の末期患者さんを多数引き受け、 新しい良い治療法を見つけるべく努力している。
 しかし、 その分多数の重症入院患者をかかえる大学病院での負担が大きくなるという問題が生じてくる。 教室員をいかに増やしていくかがいつも重要な課題として残っている。

【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】
 一般の人にはもちろん医療関係者の人にもまだ臨床皮膚科の実際の仕事がほとんど理解されていない。 そのために皮膚科専門以外で follow され、 みすみす手遅れになっている症例が多々ある。 そういう悲しい事例をできめだけ少なくするため、 忙しい中、 研究以外の“対外的な皮膚科のPR”という泥臭い仕事も我々大学人に課せられた重要な仕事である。
 これからのことを十分に実行するためには多数の人材が必要である。 そのためには先ずは教室員を増やすこと!。 これなくしては将来構想も展望もただの絵に描いた餅になりかねない。 そのために少しでも多くの学生が皮膚科学へ興味を持ち入局してくれるよう、 教室員一同、 一般への啓蒙と同様、 学生教育にも力を注いでいる。

入院患者疾患別年次推移

死亡患者年次別推移

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