脳神経外科 【過去5年間の実績等】 1. 診療科の特色等
(1) 外来患者診療
LINAC 装置を用いてガンマナイフに匹敵する治療効果を挙げるいわゆるXナイフ療法 (LINAC による定位的放射線療法) は、 我が国においても当教室が他に先駆けて開発に取り組んでおり、 その最初の報告は宮原郷士講師らにより1985年に発表された。 以後放射線科との協力により、 脳動静脈奇形や転移性脳腫瘍、 髄膜腫、 神経鞘腫などを中心として症例を選んで施行している。 この共同研究に対しては平成10年度宮崎日々新聞賞 「科学賞」 が授与された。 4. 地域医療への貢献 従来より常勤医師を派遣している施設は、 県立宮崎病院 (宮崎市)、 県立日南病院 (日南市)、 都城市郡医師会病院 (都城市)、 西都市・西児湯医師会立西都救急病院 (西都市)、 宮崎社会保険病院 (宮崎市)、 潤和会記念病院 (宮崎市)、 誠和会和田病院 (日向市)、 同心会古賀総合病院 (宮崎市)、 青雲会青雲病院 (鹿児島県姶良町)、 秋津会徳田脳神経外科病院 (鹿児島県鹿屋市) があったが、 平成9年度より新たに三和会池田病院 (小林市) を加え計11施設となった。 しかし教室の人的事情により平成11年9月より徳田脳神経外科への常勤医師派遣を中止した。 これらの他非常勤医師を派遣している施設は、 宮崎温泉病院 (宮崎市)、 同仁会谷口病院 (日南市)、 芳徳会京町共立病院 (えびの市)、 秋津会徳田脳神経外科病院 (鹿児島県鹿屋市) がある。 以上により宮崎県内の全ての医療圏に脳神経外科医を派遣していることになる。 さらに地域医師会からの研修登録医1名を受け入れている。 【点検評価】 (取組・成果・課題・反省・問題点) 病院の地理的条件や疾患の特殊性もあって当科の外来患者は比較的少なく、 過去5年間もほぼ横這い状態である。 しかし当科の特徴である脳腫瘍、 未破裂脳動脈瘤、 脊髄・脊椎疾患、 機能的疾患に対しては県内外からの紹介が多い。 入院患者に対しては、 病棟看護婦が脳外科と眼科の双方に対応していることや、 手術場の脳外科に割り当てられた手術台数の枠が限られていることもあり、 現在の延べ入院患者数が精一杯であろう。 過去に無理をして増やしたこともあったが病棟内外に軋轢を生じてしまった。 入院患者数が最近減少傾向を示すのは、 遷延性意識障害患者など長期臥床患者が増えて病床を占有し、 在院日数が延びているためかも知れない (表)。 【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】 外来患者を増やす方策として、 現在月曜と水曜に限られている脳神経外科の外来日を増やし、 金曜日にも新患を受け付けることは医師側としては何とか可能と思われる。 教室員が増えれば手術日にでも外来を開くことは可能と思われる。 しかし看護婦は従来でも眼科外来に多く取られており、 新しく増えた脳外科の外来日に対応は困難と思われ、 この面での解決が強く望まれる。 入院患者に関しても、 脳神経外科に割り当てられた病床定数や手術場の手術台枠、 さらに眼科との混合病棟の問題などは、 現在進行中の病院再開発プランの中で解決されるよう期待したい。 表 脳神経外科患者数 (過去5年間年次推移:病院運営審議会資料より抜粋)
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