医療情報部 【過去5年間の実績等】 1. 施設の特色等 (1) 教育の特色等
(1) 学内 (他の講座等)
先の医療情報交換規約群策定の目的が地域との連携であるこことからも、 医療情報部が積極的に地域連携に関して活動していることが証明されるが、 具体的な事業としては、 平成11年度に行った広域的地域情 報通信ネットワーク整備促進モデル構築事業 (郵政省) が代表として挙げられる。 研究課題名:VPN 技術を用いた広域的健康福祉システムの開発 研究者氏名:宮崎県が事業委託を受け、 吉原博幸、 荒木賢二が事業に参加。 研究経費:50百万円 研究経過・研究成果本モデル構築事業では、 広域的な地域情報通信基盤整備に直結する広域的健康福祉情報システム構築を企画する宮崎県 (ならびに延岡市) に、 広域的情報通信ネットワークの整備に資するモデルの構築を行った。 広域実証実験に参加した施設は、 県内各地の県立病院、 市立診療所、 民間病院、 県医師会、 宮崎医科大学など全9医療機関であった。 インターネット上で秘匿性の高い医療、 福祉情報を安全に流通させるために、 認証と暗号化技術を用いたVPN (バーチャル・プライベート・ネットワーク) を構築し、 広域の関係医療機関間でセキュリティの高いデータの送受信を実現した。 4. 国際交流 医療情報交換規約群の積極的な海外普及のために活動を行っている。 具体的には、 平成11年11月に中華人民共和国の中国医科大学 (瀋陽)、 大連医科大学 (大連) に公式訪問し、 講演を行い、 さらに今後の共同研究の申し入れを行い承諾された。 今年度に具体的な活動計画の策定を行う予定である。 5. 外部資金の導入状況
【点検評価】 (取組・成果 (達成度) ・課題・反省・問題点) MML (電子カルテ情報交換規約)、 CLAIM (医事会計情報交換規約)、 FAIR (分析情報交換規約) とも規約の策定は完了し、 MML は平成11年11月に、 CLAIM は平成12年8月に、 FAIR は平成11年3月に最新版を公開している。 MML、 CLAIM ともに MedXML コンソーシアムを通じて普及を行い、 全国の医療機関、 ベンダーでの実装が進んでいる。 また、 FAIR は国立大学共通ソフトとして、 10大学 (北海道大学、 群馬大学、 東京医科歯科大学、 新潟大学、 富山医科薬科大学、 福井医科大学、 名古屋大学、 九州大学、 熊本大学、 宮崎医科大学) で実装が完了している。 また、 平成12年10月稼動の宮崎医大電子カルテシステム (PHOENIX2000) でもこれらの交換規約群は実装されている。 今後の課題としては、 以下のものが挙げられる。 1. 医療情報交換規約群の普及 理想的な広域医療情報ネットワーク構築のためには更なる普及が望まれる。 2. 地域連携の具体的な活動 実証実験プロジェクトの成果を踏まえて、 実稼動システムを構築する必要がある。 3. 電子カルテの普及 宮崎医大電子カルテシステムの開発経験を生かし、 今後は地域に電子カルテを普及させる必要がある。 【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】 上記課題を踏まえて、 今後の構想としては以下のものが挙げられる。 1. 医療情報交換規約群の普及 MedXML コンソーシアムを通じて、 国内はもとより、 国際的に普及活動を行う。 2. 地域連携の具体的な活動 地域との連携を行うための組織作りを大学、 県、 医師会に提案する。 また、 地域の高速ネットワーク構築の必要性を認識し、 全県的な構想として挙がっている宮崎情報ハイウェイ計画に積極的に参画し、 3年以内に高速ネットワークを構築する。 3. 電子カルテの普及 様々な診療科、 部門、 職種に対応できる汎用的な電子カルテの枠組みと情報モデルを研究し、 実際の電子カルテを開発する。 成果物は、 小規模医療機関向け電子カルテシステムとして、 宮崎の地域医療情報化に活用する。 4. 大学病院に特化した経営分析手法の確立 大学病院は、 高度な医療を提供することが使命であり、 逆にそのことを証明する必要がある。 疾患 (診断群) や治療法ごとに、 患者分布や占有率 (シェア) を分析し、 大学病院の存在意義を証明する手法を確立し、 経営改善に活用する。 |