5 附 属 教 育 研 究 施 設

RI部門

【過去5年間の実績等】
1. 部門の特色等
 昭和51年に学内共同利用施設として設置されたRIセンターを前身として、 平成7年に実験実習機器センターRI部門は発足した。 職員は、 部長 (兼任) として平成8年3月まで渡邊克司教授 (現名誉教授)、 平成8年9月より川井恵一助教授が任り、 放射線管理業務を後藤稔男技官が行っている。 また、 実験実習機器センター運営委員会、 RI委員会、 放射線障害防止委員会、 医学部放射線安全委員会により当部門の運営及び放射線安全管理がなされており、 放射線取扱主任者として田原義弘技官が選任され監督に任っている。 当部門はトレーサーとしてRIを使用できる学内で唯一の施設であるばかりでなく、 P2, P3レベルの組換えDNA実験や小動物の飼育を行うことができ、 昼夜、 休日を問わずフルに利用されている。 本部門の利用に際しては、 本学の放射線障害予防規程に基づく教育訓練及び健康診断の受講・受診後、 放射線業務従事者としての登録が必要である。
2. 機器設備の整備状況
 下記の研究用機器を整備した他、 平成11年度には老朽化したRI排水設備の改修を行い、 並びに科学技術庁放射線安全課通知による指導事項に適合させるため、 液体シンチレータ廃液焼却炉へ燃焼温度監視装置を取付け、 さらに焼却時の排気を浄化処理する排気設備を設置した。 また、 昨今の放射線施設の事故等の事例も考慮し、 毎年少しずつではあるがサーベイメータ等のモニタリング機器も整備して放射線安全管理に万全を期している。
年 度 機  器  名 型   式   等
平成7年度 液体シンチレーションカウンター
RI汚染動物乾燥装置
冷却トラップ
微量高速遠心機
アロカ LSC-5000
ワカイダ WINDY2000
サーバント RVT-400
ヤトロン 547
平成8年度 冷蔵庫
 〃
冷却遠心機
蒸留水製造装置
炭酸ガス培養器
高速液体クロマトグラフ
日光エンジニアリング KNF24
日本フリーザー KGN-3525F3
クボタ 5900
アドバンテック (GS-200)
アステック (APCW-36)
日立 L-7000
平成9年度 画像解析システム
ハイブリオーブン
フジ System Mac for BAS-1500
アステック HS-100
平成10年度 冷却遠心機
冷蔵庫
クボタ 5900
サンヨー SRR-W9615
平成11年度 ガンマカウンター
電子天秤
低圧グラジエント
オートサンプラ
アロカ ARC-1000M
テラオカ AW320
日立 810-1200
東ソー AS-8020
3. 利用実績 (利用講座、 利用者数、 利用時間等)
 平成7年度から11年度までの登録講座及び登録者数、 受入れた主なRIは以下のとおりである。
年 度 利用講座 利用者 受 入 R I
平成7年度
平成8年度
平成9年度
平成10年度
平成11年度
29講座
29講座
27講座
27講座
27講座
192名
204名
198名
191名
196名
32P 117件、 125I44件、 35S 13件他、 計8核種 211件  4.8GBq
32P 133件、 125I 32件、 35S 24件他、 計10核種 214件 10.3GBq
32P 117件、 125I 58件、 35S 17件他、 計8核種 219件  7.4GBq
32P 116件、 125I 48件、 3H 14件他、 計10核種 209件  8.8GBq
32P 105件、 125I 62件、 35S 28件他、 計11核種 228件  9.1GBq

 また、 講座等毎の利用者数及び利用時間 (人数、 時間) は以下のとおりである。(表示)

【点検評価】 (取組・成果 (達成度) ・課題・反省・問題点)
 平成8年度より、 当部門を新規に利用する者に対する放射線障害防止法等に基づく教育訓練及び健康診断を、 従来より実施している新規採用医員・研修医オリエンテーション時に加え、 四半期毎に1回行うこととした。 平成9年度には当部門の開設後20年のあゆみを振り返り、 「宮崎医科大学医学部附属実験実習機器センターRI部門開設20周年記念誌」 を編集し、 学内の各部局及び各大学のRI施設等に評価資料として供した。 また、 同年度には当部門の利用ガイドとRIの安全取扱法等を記載した 「実験実習機器センターRI部門利用の手引き」 を改訂し、 利用者全員に配布した。 当部門は開設以来、 使いやすい施設であるべく、 利用者の立場に立った管理運営を心がけている。 また、 部門職員の放射線管理技術の研鑽、 知識の習得にも積極的に取り組んでおり、 文部省等が公募する研修にも毎年度採択され参加している。 一方、 大学の研究センターには設置機器の維持管理に留まらず、 研究の高度化・多様化に対応し、 教育研究支援への積極的な関与が求められているものの、 部長 (兼任) 1名と技官1名のみの配置では極めて困難であり、 今後の課題として取り組むべき問題である。

【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】
 共同利用施設としての設備の整備及び設置機器の維持管理に留まらず研究の高度化・多様化に対応し、 教育研究支援に積極的に関与したいと考えている。 一例として、 現在行っているRIの安全取扱教育に加え、 大学院生、 若手研究者を対象に放射線測定技術及び測定装置の操作法の習得とそれらの応用に関する研修会の開催も検討している。 当部門は他大学のRI施設と比較して施設面積も広く、 本学内で実施される組換えDNA実験もその多くが当部門において行われている。 今後、 さらに組換えDNA実験が増加することが予想され、 生物災害防止の観点からも、 これらの高度な知識を持った教官及び技官の増員を含めた支援体制の強化に早急に取り組んでいく必要があると考える。

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