5 附 属 教 育 研 究 施 設

電子顕微鏡部門

【過去5年間の実績等】
1. 部門の特色等
 本部門の特色は透過型電子顕微鏡、 走査型電子顕微鏡をはじめとする形態科学研究に必要とされる関連機器が一通り整備されてきた。 部門内の研究機器の保守点検は組織培養部門に設置されている共焦点走査型レーザー顕微鏡もふくめて後藤嘉輝技官が担当している。 当部門も受益者負担の原則に基づいて使用実績に応じて電気料、 消耗品費を使用講座に負担してもらっている。 電子顕微鏡に関しては講習会受講者が、 その他の機器に関しては教職員、 大学院生であれば時間外、 休日を問わず利用できる体制となっている。
2. 機器設備の整備状況
年  度 機    器    名
平成7年度 カーボンコーター 盟和CC−40F
平成8年度 画像解析装置 Search Partyシステム
平成9年度 オートティシュプロセッサー 盟和商事RX90−A
平成10年度 デジタルプリンター フジフィルム ピクトロスタットデジタル400
平成11年度 凍結置換装置 ライカAFFS型
3. 利用実績 (利用講座・利用時間・利用者数)
  平成7年度 平成8年度 平成9年度 平成10年度 平成11年度
利用
時間(h)
利用者
延数(人)
利用
時間(h)
利用者
延数(人)
利用
時間(h)
利用者
延数(人)
利用
時間(h)
利用者
延数(人)
利用
時間(h)
利用者
延数(人)
解剖学第一
解剖学第二
生理学第一
生理学第二
生化学第二
薬理学
病理学第一
病理学第二
微生物学
衛生学
寄生虫学
法医学
内科学第一
内科学第二
内科学第三
精神医学
外科学第一
外科学第二
整形外科学
皮膚科学
眼科学
耳鼻咽喉科
産婦人科学
麻酔学
脳神経外科
生物学
臨床検査医学
341.5
820.1


1.0

185.8
117.3
1.0
49.4
13.5



161.8
58.3

3.0


55.0
254.4
13.4

5.3
41.3
217
333


1

100
114
2
39
5



52
54

1


42
100
13

2
26
798.3
771.3



16.0
172.4
207.2

14.3




115.3
49.4
123.4

18.1
36.0
301.6
96.0
28.1

106.9
363
218




16
131
112

12



66
36
20

12
30
118
66
27

82
574.0
1,298.1
69.6


31.0
312.9
110.2


59.5

27.0

91.9
83.7
15.3

21.2

165.3
82.8
360.8


7.5
340
679
62


28
167
115


8

8

13
92
11

37

88
84
136
577.5
1,368.5
15.9

2.0
51.0
159.0
37.3


19.0
6.0


217.0
80.4
304.5
75.2
9.9

11.5
126.8
249.9
286
676
28

1
40
131
641


1
4


24
29
28
30
12

7
116
66
589.9
2,086.5
8.0
28.1
16.5
25.5
134.5
150.7


16.2

73.5
6.2
335.5
51.1
231.0
0.5


0.5
159.5
219.6
23.0


5.9
288
830
5
15
7
13
80
98


2

76
11
21
22
74
1


1
173
12
12


11
合  計 2,122.1 1,101 2,854.3 1,309 3,310.8 1,870 3,311.4 1,553 4,162.2 1,752
4. 主な研究課題 (平成11年度実績)
講座名 研  究  課  題  名
解剖学第一 1. 受精過程の微細構造解析
2. 半数体精子細胞に発現する遺伝子 (PCTP−L) 関連蛋白質の局在
3. クローン細胞/c133−12におけるIgMの局在
4. カルニチントランスポーターに関する免疫組織学的解析
5. 精細胞特異蛋白質の局在
6. 遺伝子改変動物を使用した精細胞分子機構の形態学的解析
7. 精子発生ステージ特異的に発現する分子の局在
8. ヒト精巣と精子におけるエクアトリンの局在
解剖学第二 1. 高圧凍結技法の検討
2. 神経系の構造
3. ゴルジ装置の形態学的研究
4. 高圧凍結技法を用いた消化管の組織化学的研究
病理学第一 1. 動脈硬化、 血栓症の発生病理
2. アドレノメデュリンの生体内局在
3. 動脈硬化巣における血栓形成
病理学第二 1. Hepatocyte growth factor activator inhibitor type1の生体内発現動態
寄生虫学 1. 新しい粘液関連ペプチドTrefoil PeptidesとNippostrongylus brasiliensis排除におけるラット小腸杯細胞粘液糖鎖の役割内科学第一1. 消化管におけるアドレノメヂュリンの超微細形態学的局在に関する研究内科学第三1. 多発性神経炎患者の生検・腓腹神経の神経病理学的研究
2. 生検・腓腹神経の定量形態学的研究
3. 筋肉疾患の患者の生検・筋肉の臨床病理学的研究
4. 神経ペプチドオレキシンとneuropeptide Yの脳内分布に関する免疫電顕ならびにin situ研究
精神医学 1. PC12細胞におけるNカドヘリン由来ペプチドN4の細胞内局在
外科学第一 1. 腫瘍細胞の接着能、 転移能についての研究 (特にP−selectin発現について)
2. ヒト膵癌培養細胞株 (SUIT−4) の樹立
3. 免疫電子顕微鏡によるコレステロール27−水酸化酸素の組織内定量
耳鼻咽喉科学 1. クロトーマウスでの聴覚・平衡覚の研究
2. 耳硬化症の発症に関与する破骨細胞の研究
産婦人科学 1. 周産期脳障害の病態および治癒に関する実験的研究

【点検評価】 (取組・成果 (達成度) ・課題・反省・問題点)
 電子顕微鏡の使用に際しては毎年6月に透過型電子顕微鏡および走査型電子顕微鏡の取扱いの為の講習会を開いて、 受講者に使用許可を与えている。 そのほかの機器の取扱いに関しては電子顕微鏡部門の後藤嘉輝技官が取扱説明を行っている。 本部門には電子顕微鏡関連の機器はもちろん、 スライド作製装置、 デジタルプリンターも設置されたことから学会発表、 論文作製あるいは授業用の教材作製にも頻繁に利用されている。 一方、 大型機器の経年による老朽化、 故障も生じるようになってきており、 なかでも走査型電子顕微鏡は更新する時期に来ている。 また平成5年に導入した共焦点走査型レーザー顕微鏡 (組織培養部門に設置) はその後コンピューターの飛躍的な開発が進み、 時代遅れとなっていることも指摘しておきたい。 幸いにも後藤嘉輝技官が本部門の研究機器の保守点検を日常的に行っているので、 これまでのところ利用の際に大きな支障をきたすことがなく研究支援体制ができていると思われる。

【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】
 一連の研究の流れから電子顕微鏡を使った研究が全国的にも減少傾向にあることは否定できないが、 試料作製技術 (凍結技法など) の開発とともに、 形態科学の重要性は変わるものではない。 今後は研究の多様化、 高度化に対応できる機器の整備充実、 研究支援体制の確立に努力していく必要がある。

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