2 大  学  院

(8) 学位
【過去5年間の概況】
 本学における博士の学位は、 大学院医学研究科博士課程の修了者 (課程博士、 甲論文) 及び本学に学位論文を提出してその審査に合格し、 かつ、 博士課程を修了した者と同等以上の学力を有すること確認された者 (論文博士、 乙論文) に授与する。
 学位論文審査は、 予備審査と本審査の2回に分けて実施しており、 予備審査は非公開で、 本審査は公開で行っている。 審査委員は主査1人、 副査4人の5名 (教授のみ) から構成され、 予備審査委員と本審査委員は兼ねることになっている。 一方、 指導教官は審査委員になることはできない。
 課程博士と論文博士の審査上の相違点は、 課程博士については、 学位論文を中心としてこれに関連のある分野、 口頭試問または筆頭試問により最終試験を行っている。
 また、 論文博士は、 博士課程を修了した者と同等以上の学力を有し、 かつ、 研究者として自立して研究活動を行うに必要な高度の研究能力を有するか否かを、 専攻分野及び外国語について口頭試問又は筆頭諮問により判定を行っている。
 なお、 論文博士申請者に課す外国語試験は、 学位規程上は原則として2種類を課すことになっているが、 現在は英語のみ1種類とし、 大学院入学試験時に実施している。 この外国語試験合格者は、 合格通知書の発行日から10年間、 学位申請に当たって外国語試験が免除される。
 平成7年度から平成11年度までの学位授与者数は表5のとおりである。

表5
  課程博士 論文博士
昭和58年度〜
  平成6年度
139 94 233
平成7年度 13 4 17
平成8年度 15 10 25
平成9年度 16 10 26
平成10年度 12 7 19
平成11年度 17 6 23
合計 212 131 343
【点検・評価】 (取組・成果・課題・反省・問題点)
 昭和55年4月、 本学大学院医学研究科が設置され、 併せて入学生を迎入れ、 昭和59年3月に最初の課程博士の学位を授与して以来、 現在まで212名に博士課程の学位を授与している。 大学院入学生は、 昭和55年度から平成8年度までに250名の入学生があり、 そのうちの85%が大学院を修了 (学位授与) していることは、 在学中における研究論文等に対する研究指導教官等のきめ細やかな指導・助言の成果である。 このことが、 生物・医学関係の研究論文の平均被引用度数が全国5位という数字 (1981〜1997) に表れている一因でもあると評価できる。
 また、 外国人留学生用に英語による学位論文審査を行っており、 現在までに11名 (課程博士) へ学位を授与している。

【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】
 現在、 論文審査の学位論文は、 原稿及び印刷公表しているもののうち、 いずれかを受理し審査している。 特に印刷公表している場合、 内容的に修正を求めることもあり、 将来的には 「thesis 形式」 論文での提出を求めることも検討する必要がある。 これに関連して、 学位を授与された者は1年以内に学位論文を印刷公表しなければならないが、 原稿のまま学位論文申請をした者が、 必ずしも1年以内に印刷公表していない例もあり、 未公表者への周知も含め改善しなければならない。
 本学学位規程に、 本学大学院委員会が必要と認めた場合、 他大学院や研究所等の教員等を審査委員に加えることができることになっているが、 過去にこのような例はなく、 今後、 大学院委員会構成員の専門分野と提出された論文内容によっては、 検討する必要も生じてくるであろう。
 また、 学位論文の審査委員は、 主査1人、 副査4人の5人から構成されている。 課程博士の学位論文が提出される時期 (12月〜3月) では、 1人の審査委員が4、 5件の学位論文を審査することも多く、 論文審査に支障をきたしている例も見受けられることから、 審査委員の数についても検討する必要がある。

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