1 医  学  部

(3) カリキュラムの編成
【過去5年間の概況】
 本学では、 平成3年度の大学設置基準の大綱化を受けて、 平成4年度から早期に医学教育を学ばせるため、 従来の 「専門教育科目」 を 「基礎医学科目」 と 「臨床医学科目」 に区分し、 また、 一般教育科目, 外国語科目, 保健体育科目, 基礎教育科目からなる 「一般教育科目等」 についても 「基礎教育科目」 に改め、 6年間一貫教育の観点から、 医学教育を教授する上で基礎となる授業科目を早期に低学年から開設するよう改善を図った。
 その改正内容は、
(1)解剖学を1年次から開設した。

(2)授業科目のほとんどを必修科目とした。

(3) 「基礎教育科目」 の一部を3年次前期まで開設した。

(4) 「基礎医学科目」 の充実 (「免疫学」 の開設等) を図った。

(5) 「臨床医学科目」 の講義時間数の調整を図った。

(6) 「基礎教育科目」 で開設する授業科目は単位制とし、 「基礎医学科目」 及び 「臨床医学科目」 で開設する授業科目は時間制とした。

(7)単位の計算は、 講義及び演習は15時間をもって1単位とし、 実験・実習は30時間をもって1単位とした。
 なお、 平成4年度以降の主な改正点は、 「基礎教育科目」 においては、 外国語科目の精選を行う (平成7年度) とともに、 ドイツ語・フランス語・中国語を2年次に開設 (平成8年度) し、 選択必修科目とした。 また、 平成6年度より継続して医療現場における看護業務の重要性を認識させることを目的とした 「医学概論」 の一環として、 本学附属病院病棟での準夜・深夜の早期看護体験実習や当初15施設から実施した特別養護老人ホーム・重度身体障害者の施設等において入浴・食事介助や機能訓練介護を体験させることを目的とした早期介護体験実習を、 平成11年度には31施設まで広げ実施している。
 「基礎医学科目」 においては、 医学教育を行う上で基礎となる教育内容に重点を置いた授業科目を開設し、 医学生としての自覚を早期に促し、 勉強意欲の向上を図ることを目的として、 解剖学を1年次の前期から、 生化学及び免疫学を2年次から開講する等、 「基礎医学科目」 を 「基礎教育科目」 との相互乗り入れのかたちの編成としている。
 「臨床医学科目」 においては、 内科・外科系の講義を3年次後期から開始し、 通常5年次から開始される臨床実習を、 本学は4年次後期から始め、 臨床医として望ましい態度や価値観を早期に身に付けさせる教育を行っている。 なお、 臨床実習は少人数グループによる学習を重視しており、 各科を2週間のローテーションで2度回るようにしている。 また、 地域医療を含め豊富な症例に接することにより臨床経験の幅を広くし、 密度の濃い臨床教育が可能になるよう、 本学附属病院だけでなく関連教育病院の他、 学外病院の協力も得ながら実施している。 特に、 救急医療の現場に触れるという観点から、 学外病院の救急外来夜間実習を行っている。
 以上述べたように、 本学のカリキュラムは臨床医あるいは医学研究者を目指して入学してきた者の期待に応え、 また良医の養成という本学の教育目的を達成するための編成となっている。

【点検・評価】 (取組・成果・課題・反省・問題点)
 平成3年度の大学設置基準の大綱化以来、 種々カリキュラム改正をしてきているが、 今後21世紀医学・医療懇談会第4次報告に掲げられているようなチュートリアル教育やクリニカル・クラークシップ等を取り入れたカリキュラムに改正しなければならない時期にきている。

【今後の改善方策, 将来構想, 展望等】
 現在、 教務・厚生委員会の下部組織である基礎教育系・基礎医学系・臨床医学系の各カリキュラム検討部会において、 大幅なカリキュラム改正に向け検討中であるが、 基礎教育・基礎医学科目にあってはチュートリアル教育や基礎配属等を、 臨床医学科目にあってはクリニカル・クラークシップやOSCEの導入を、 更に、 全科目の単位制や授業時間の変更 (100分を90分に) 等についても早急に検討する必要がある。 

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