(1) 学生の受入れ 【過去5年間の概況】 本学の入試は、 当初は共通一次を主とした選抜で、 競争率は最低時2倍弱であった。 平成2年に大学入試センター試験制に変わった時点で、 5つのカテゴリー別に定員を区分した選抜方法、 いわゆるユニーク入試と通称される方式、 へと変更された。 この選抜方法は好評で、 全国から15倍前後の高い競争率で受験生が殺到した。 しかし、 5区分別に入学後の成績追跡調査を行った結果、 近年の入学生では特にセンター成績のみを重視した理系・文系及び本学指定調書群に成績不良者が多く、 小論文と面接の組合わせが良いことが判明した。 この結果は恐らく大学への受験効率一点張りの高校教育と、 社会・経済情勢の大きな質的変貌によって、 受験生が社会人、 他学部卒業者、 多浪生の増加など質的に変化したためと推定された。 一方、 医学部では、 単なる記憶力のみでなく、 問題解決能力、 判断力、 和・英の長文資料を短時間に読みこなしてポイントを集約し、 まとめ上げる能力が強く求められ、 更に臨床実習では患者への対応に円滑な言葉使いと豊かな表情などによる適切なコミュニケーションが求められる。 これらの能力は将来、 医師となっての日常の診療録作成、 データ解読、 更に患者へのインフォームドコンセントのためにも絶対に必要な能力であることは言うまでもない。 そこで平成12年度入試から、 前期日程・後期日程とも第一段階選抜をセンター試験の満点値の75%以上で募集人員の約6倍とし、 その合格者全員に対して小論文と面接を課して選抜することに変更した。
【点検・評価】 (取組・成果・課題・反省・問題点)
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【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】 入試の改善なしにわが国の高等教育改革は成功しない。 もとより入試は、 朝令暮改を避けるべきである。 しかし一方、 入試は社会情勢の変化にも対応し得るものでなければならない。 少子化が進行する中で、 大学が独立行政法人化を始め激変の時期を迎えようとする時、 入試は大学生き残りの戦略と成りつつある。 特に医学部には、 国民の健康に直結する医療人の養成という使命がある。 今、 最も求められているものは、 全ての大学教員が入試を自らの最も重要な職務の一つであると認識することであろう。 |