4 附属教育研究施設

(4) 情報処理センター
【過去5年間の概況】
 平成6年に医療情報部が設置され、また、同年には全学を網羅するキャンパス情報ネットワークが導入され、学術研究環境の整備に取り組んできた。しかしながら近年の情報処理技術の急速な進歩に対応する研究、教育へのコンピュータ活用を推進するための設備も資源も技術力も乏しく、既に設置してあった設備も陳腐化してゆきそれら環境設備の改善が急務となってきていた。大学の総合的情報化の推進、情報処理設備を用いた医学教育の更新と充実、地域医療機関との連携及び地域医療への貢献等の観点から平成11年度から本学に情報処理センター(学内措置)が新たに設置され、情報処理センターと医療情報部の位置付けが明確になった。情報処理センターは、本学の将来構想を見据えた総合情報処理センターとして医学情報学の教育・研究に携わるものとし、本学全体の学術情報システム及び医療情報システムの構築、管理、運営等の基本方針及び重要事項の検討等の業務を行う組織となっている。

【点検・評価】(取組・成果・課題・反省・問題点)
 情報処理センターの新設に伴い組織、体制は整いつつあるが、全学的なサービス部門として、さらには地域に貢献する医学情報の中枢として活動するためには、以下の点が課題となっている。
(1) コンテンツ作成機材、スタッフの不足、指導業務拡充の必要性
 コンピュータとインターネットの大衆化に伴い、関心はコンテンツに向けられており、医学教育・研究においても、真に役に立つ質の高いコンテンツの充実が望まれている。今後本学で必要とされるコンテンツの例としては、部署ごとのWebページ、個人の研究成果の発信、患者教育用Webページおよびビデオ、危機管理教育用Webページおよびビデオなどが考えられる。しかし、現状では、これらのコンテンツ作成を効率良く行うための専任の情報処理技術者がいないことと設備の充実不足が問題であり、今後の情報処理センターの業務として取り組むべきものと考えられる。
(2) 地域の高速ネットワーク構築の必要性
 マルチメディアを快適に扱うためには、本学を含めた県内高速ネットワークを構築する必要がある。
(3) 地域への広報活動の必要性
 分かりやすく、役に立つ情報発信を目指した広報活動を充実しなければならない。

【今後の改善方策、将来構想、展望等】
 医療情報分野における情報処理技術の進歩は目覚ましく、X線等の画像情報を含むマルチメディアデータも容易に取り扱うことが可能になってきた。本学の総合医療情報システムにおいても電子カルテの導入稼動を進めている。これを起点とし、各システムがネットワークを介して有機的に結合する方向へと進んでいる。大学は情報処理の拠点として、大学全般の情報化への対応、大規模な情報をコンピュータ技術を駆使した教育、研究活用の役割を有すべきである。また、ネットワークの活用による地域に開かれた大学として医学・医療に関する最新の情報データを地域の医療従事者に提供することを緊急の課題とする。これらの課題を通して地域医療機関との連携及び地域医療への貢献を図る必要がある。
 上記課題に対しての具体的な構想としては次のものが挙げられる。

(1) コンテンツ作成機材及びスタッフの整備充実、指導業務の拡充
 設備として、本学の構想として挙がっている総合教育実験研究棟内に情報処理センターの施設を新設する。専任の情報処理技術者をセンターに配置し、センター職員が、医学科看護学科学生教育の一環として、各種コンテンツの作成指導にあたる。

(2) 地域の高速ネットワーク構築への参画
 全県的な構想として挙がっている宮崎情報ハイウェイ計画に積極的に参画し、3年以内に高速ネットワークを構築する。

(3) 地域の広報活動への積極的参加
 上記宮崎情報ハイウェイの有力なコンテンツとして、本学からの情報発信が挙げられており、全学的な活動として取り組む。

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