2 大  学  院

【過去5年間の概況】
 本学大学院医学研究科は、細胞・器官系、生体制御系、生体防衛機構系及び環境生態系の4専攻から構成されている。大学院授業担当教官は、基礎医学と臨床医学との区別及び専攻系の枠を越え、研究指導や教育を行っている。
 また、平成10年6月に「宮崎医科大学大学院研究指導教官及び大学院授業担当教官の資格に関する申合せ」を定め、最近5年間における国際的な学術雑誌の論文又は国内で定評のある学会誌の論文が、研究指導教官にあっては欧文2編以上を含む6編以上で、そのうち筆頭著者論文が2編以上であること、授業担当教官においては欧文1編以上を含む3編以上で、そのうち筆頭著者論文が1編以上であることとし、選考する際の資格を定めている。このことは、優れた研究実績を持つ教員等を大学院授業担当教官とすることで、質の高い教育・研究指導を大学院生に行えるようにしたものである。

【点検・評価】
 前述のとおり、本学大学院医学研究科は、講座の枠を越え基礎医学と臨床医学とが一体化し、急激に進歩する高度な現代医学に柔軟に対応できる合理的な組織である。
 また、大学院生は附属実験実習機器センター、附属動物実験施設の利用に当たって、他の研究者と同じ取扱いを受けており、研究を進めるうえで大いに役立っている。これに関連して、入学後の1ヶ月、研究方法論の授業を行い、今後の大学院での研究の利用方法及び両施設での研究の方法について基本的な考え方を伝授していることは、非常に効果的であり、評価できるものである。

【今後の改善方策、将来構想、展望等】
 大学院の独自施設の要望に代表される研究環境の改善について、さらに取り組んでいかなければならない。また、大学院での研究成果を地域に密着した医療・研究にいかに反映させるかも議論を積み重ね、社会福祉の向上に積極的に関与する必要がある。
 さらに、医学の飛躍的高度化と複雑化に対応するため、研究指導内容の充実と領域の拡大が必要であり、そのために専攻系、部門名、授業科目の内容が一致しているかどうか、常に検討していくことが、本学大学院の充実につながっていくことだと思われる。講座間の共同研究体制の在り方、大学院修了後の研究継続の在り方についても検討する必要があろう。
 なお、大学院授業担当教官について、授業担当教官資格の有無の審査を論文発表数などで定期的に行うことも検討していかなければならない。
 先進大学院大学の間で、新設医科大学の大学院はどうあるべきか、大学院生をどう確保するか、また、研究の質をどのように維持し、向上させるか等、課題は少なくない。

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