2 大学院の理念・目標等

 昭和55年4月に本学大学院医学研究科(博士課程)が設置され、本学大学院学則第2条に「大学院は研究者養成を主眼とし、医学の分野について研究者として自立して研究活動を行うに必要な高度の研究能力とその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とし、医学の発展と社会福祉の向上に寄与することを使命とする」と定められており、その達成を目標にしている。

【過去5年間の概況】
 入学式当日、オリエンテーションを開催し、教育担当副学長から上記の理念・目的を大学院入学生に説明・周知するとともに、本学大学院学則及び本学学位規程などを記載したカレッジライフを大学院入学生に配布し、大学院入学後の教育・研究に役立たせている。
 本学大学院は、昭和55年4月に学生を受け入れて以来、20年間にわたり高度の研究能力とその基礎となる豊かな学識を備え、優れた研究者を養成してきた。修了者数は、平成11年度末で212人(平成7年度〜平成11年度は73人)となっている。これら修了者は、本学での教育・研究分野の第一線で活躍し、又他大学、他病院、地域医療等において、指導的な役割を担っている。
 さらに、本学の研究論文1,962編の平均被引用度数が全国5位(生物・医学系)であることが最近の研究レポートで報告されている(学術月報(日本学術振興会出版):平成12年3月発行に掲載されている学術情報センターからの、1981ー1997の16年間の「我が国の大学の論文数と引用数」と題するレポートで報告)。このことは、本学の研究論文の質がおしなべて高いことを示している。

【点検・評価】
 本学大学院が、医学の発展と社会福祉の向上に寄与することを使命とする多くの研究者を世に送り出し、また、優れた研究論文を数多く発表していることは、高く評価できる。
 しかしながら、本学大学院への進学者が定員を満たしていない状況が続いていることは、高度な研究能力維持の困難あるいは医学の発展と社会福祉の向上に寄与することができない要因を作り出すことになりかねず、大学院学生の増加について引き続き努めなければならない。

【今後の改善方策、将来構想、展望等】
 本学大学院の教員組織、研究施設の大部分は医学部医学科に依存しており、これからの競争社会に対抗できる高度な専門知識を持った研究者の養成を図るには、教員組織及び研究施設の有効利用に一層努める必要がある。
 大学院の発展のためには、臨床大学院としての在り方、地域・行政と一体となった社会医学系大学院の在り方等について検討の必要があろう。
 また、急激な医学の進歩に取り残されないよう、大学院生への最新知識の伝達を図ることや魅力ある大学院にするため、専攻系も含めた部門及び授業科目の見直しを随時行うことが必要である。
 さらに、大学院の活性化を図る観点から、1人でも多くの優秀な大学院生を入学させるため社会人の特別選抜及び昼夜開講制の導入を図る必要がある。

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