学長
 森満 保

本学が期待する学生像

 医学部は医師という専門職の養成を目的にしています。このことは医学部は紛れもなく職業学校の一つであるということを意味します。職業学校では学んたこと全て記憶し身につけなければ立派な専門職にはなれません。多くの大学の学部はそこで学んだことが、入社した会社でそのまま役にたつとは限りません。しかし医学部は職業学校ですから、在学中に学んだことの全てを何一つとして忘れてはならないのです。一夜漬けの勉強で単位さえとれれば、後は忘れてもよいというわけにはいかないのです。アメリカのある医学部の玄関に、not for 4 years, but for 40 yearsという言葉が刻まれているそうです。医学部4年間の勉強は在学期間だけのための勉強ではなく、医師として働く40年間のためであるという意味です。
 基本的には、絶対に医師になろうと言う強い意志が必要です。偏差値が医学部合格レベルにあるからということで、親や先生に勧められて、受け身的な態度で医学部に入学しても、6年間の長い苦しい医学教育には耐えられなくて中途退学という不幸な状態になってしまいます。一方医師になろうと言う強い意志を持った学生には、医学の勉強ほど楽しい学問はないと思います。毎日が新しい医学的知識を身につける喜びに浸ることが出来るでしょう。本学ではこのような心構えで学業にいそしむ学生を求めています。
 それでも医学部では自ら学ぶ姿勢が不可欠です。高校での受験勉強では先生から懇切丁寧に教えてもらえますが、大学での講義では基本的な知識のみが講義されます。家に帰ってからさらに教科書や参考書でより深い知識を自学自習的に学ぶことが大事です。
 次は一人で規則正しい自立した生活ができなければなりません。高校生時代は親の世話の元で規則正しく生活できたでしょうが、大学生となって自由な生活が送れるようになると、非常に自堕落な生活になってしまう学生がいます。夜更けまで漫然とTVをみて朝寝坊して朝食抜きでは、満足に学習出来ないことは言うまでもないでしょう。
 ここには極めて初歩的な目標を掲げました。高邁な精神論の前にこのような基本的な要求すらも満足に果たし得ない学生が最近は少なくないからです。宮崎医科大学は聡明で健康で医師になることに積極的に挑戦しようと言う学生諸君を心から待ち望んでいます。

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