宮崎大学小児科
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小児循環器

こどもの心臓病について

こどもの心臓病は1)先天性心臓病(生まれつき心臓に病気がある場合)2)後天性心臓病(出生後なんらかの原因にて心臓に病変を生じるもの)3)川崎病4)不整脈におおきく分けられます。 今回はこれらについてわかりやすく説明します。

1) 先天性心臓病(生まれつき心臓に病気がある場合):
先天性心臓病は出生後心臓の雑音や皮膚の色(皮膚色が紫色している場合をチアノーゼといいます)で早期に発見される場合が多く、その中には新生児早期に手術を必要とする病気も少なくありません。しかし多くの先天性心臓病の症状の発症時期は産婦人科を退院してから1ヶ月検診ごろです。例えば心室中隔欠損症という病気があります。この病気は生まれつき心臓の下の2つの部屋(左心室と右心室)の間の壁に欠損があります。欠損の大きさで症状の出現がことなりますが、出生後しばらくは母体の影響があり右心室の圧が高いため左心室から血液の流れ込みが少なく症状がでにくい状況にあります。しかし時間がたつにつれ右心室の圧が下がり、高圧系の左心室から血液が流れ込みはじめると図にしめすように肺への血液過剰状態(肺うっ血といいます)になりさまざまな症状を呈してきます。症状とは肺に負担がかかりますので多呼吸(1分間に50回以上)、陥没呼吸などの呼吸器症状、呼吸がきつくなるためそれに伴いミルクのみが悪くなります。当然体重の伸びが悪くなります。また泣き声が弱いなども特徴もあります。赤ちゃんにおいてこのような症状が場合は小児科医療機関を受診することが大切です。他にも多くの先天性心臓病がありますが外科治療(手術)を介入することにより元気になります。

2) 後天性心臓病:
心臓の筋肉に関係した病気です。おもに心筋炎について述べます。ある特定のウイルス(心臓の筋肉に親和性をもつもの)に感染しますと多くの子供さんはかぜ症状(咳、鼻水)で終わってしまうのですが、まれに心臓の筋肉までウイルスに冒されてしまうと、高い熱でもないのに息があらくなったり、脈が速くなったり、尿が少なくなったり、乳児であればミルクのみが悪くなったりなどの心不全(心臓の機能がおちている状態)症状を起こします。症状の経過(心不全症状の増悪、脈のみだれ)が早く非常に悪くなることがあるのでこのような症状がみられるような場合は小児医療機関を受診してください。

3) 川崎病について:
川崎病は主に4才以下の小さい子供に起こる病気です。なんの前触れもなく急に発熱で始まることが多く、川崎病の主要症状が4−5日のうちに出現してきます。主要症状とは(1)発熱 (2)手足の発赤や腫れ (3)発疹 (4)目の充血 (5)唇や舌の発赤 (6)首のリンパ節の腫れの6つです。この病気自体の原因はまだ見つかっておりません。この病気の本体は血管の炎症であり、心臓においては、心臓を栄養する大切な冠動脈に病変をきたし、治療に反応しない場合はまれに冠動脈瘤(冠動脈がこぶ状に膨れあがる)を形成し、心筋梗塞を起こしたりもします。原因はわかっていませんが、治療に関しては病気そのもの自体をできるだけ短くするためのお薬があります。

4) 不整脈:
心臓は全身に血液を送りだすポンプです。そのポンプを調節しているのが脈拍です。その脈拍のみだれが不整脈です。不整脈には大きく分けて頻脈性不整脈(脈拍が異常に速くなるもの:1分間に200回以上)と徐脈性不整脈(脈拍が異常に遅くなるもの:1分間に50回以下)の2つに分けられます。 こどもの失神(一時的に気を失うこと)の原因のひとつにも不整脈があります。 治療に関しては治療を必要としない良性の不整脈からくすりを飲む必要性のあるものまで様々です。医学の進歩により現在は心臓カテーテル治療にて多くの不整脈(おもに頻脈性)の根治(完全に治ってしまうこと)が可能となりつつあります。 おわりに:内科的(カテーテル治療を含む)外科的技術(手術)の著しい向上によりおおくの心臓病が治療可能になり、治療後多くの子供たちは元気に生活を送っています。