動物由来の回虫症の予想される感染経路


感染経路として、野菜や手指についた土などに混じって幼虫包蔵卵が口から入る場合(1)に加えて、ニワトリやウシの肝臓の中に回虫の幼虫が寄生していて、肝臓を刺身(レバ刺)で食べて感染する経路(2)も考えられている。

教室で行った血清診断、患者の数回に渡る糞便検査、ヒト回虫はほとんど見られない、養豚業の盛んな地域に分布する患者あるいは「鶏のレバ刺」、「牛のレバ刺」の食歴および患者が中年齢層に多いことから、九州の患者はブタ回虫による幼虫移行症であることが考えられている。

参考文献
Maruyama et al., Parasitology International 46: 181-8, 1997
Nagakura et al., Journal of Infectious Disease 160: 735, 1989


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