■ 白内障
目の中には「水晶体」と呼ばれる透明なレンズがあります。このレンズは若いときは透明ですが、老化現象によって少しずつ濁ってきます。これが「老人性白内障」です。年をとるに従い「かすみ目」を訴える方が増えてきますが、「かすみ目」の多くは白内障が原因のことが多いです。
■ 緑内障
目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経に障害が起こり、視野が狭くなってしまう病気です。症状は少しずつ見える範囲が狭くなり、進行も非常にゆっくり、両眼が同時に進行することは稀なので、かなり進行してしまうまで自覚症状はありません。中高年の方に多い眼病のひとつですが、最も多い失明原因でもあり、早めの検査、治療をおすすめします。
■ 網膜硝子体
「硝子体(しょうしたい)」とは眼球の中のゼリー状(99%が水)の組織のことで、眼球の形を保ち、光を屈折させる働きを担っています。水晶体の後ろにあり、網膜に最も近い部分です。この組織が濁ったり、出血したりといった異常が起こることで、網膜までの光の到着が妨げられてしまいます。
代表的な病気には、「網膜剥離」、「糖尿病網膜症」、「網膜血管閉塞症」、「黄斑上膜」、「黄斑円孔」などがあります。
■ 網膜色素変性症
網膜の光を感じる細胞に異常が生じる病気で、遺伝子の異常によって起こります。初期症状は夜盲や羞明(まぶしく感じる状態)、視野狭窄などで、さらに進行すると視力低下、色覚異常が生じ、最終的には失明に至る場合もあります。白内障や緑内障を合併しやすいことも知られています。治療が困難で難病に指定されています。
■ 加齢黄斑変性
網膜の中心部である「黄斑部」が加齢により変性してしまう病気です。網膜に栄養を送る血管が動脈硬化の為に循環が悪くなることが原因と考えられています。このため、網膜に十分な酸素や栄養が行かなくなって網膜の機能が衰えます。結果として、ものを見る場合に中心部が見にくくなってきます。人によって重症度がさまざまで、重い場合には、中心部が全く見えなくなり、読書や運転ができなくなります。軽い場合には見え方が少し歪むだけのこともあります。
■ ぶどう膜炎
目の中に炎症を起こす病気の総称で、「内眼炎」とも呼ばれます。目の中の透明な「前房」と硝子体に炎症性細胞が侵潤して起こります。霞視(かすみがかかった状態)や飛蚊症(虫が飛んでいるように見える状態)、羞明(まぶしく感じる状態)などの他、視力低下、眼痛、充血などの症状が現れます。片眼だけ、両眼共の場合もあります。