卒後研修について

今泌尿器科医が求められている

超高齢化社会に突入した日本において、泌尿器科のニーズは医療のみならず、介護領域まで増加しています。また、最近の泌尿器科医療領域では低侵襲性手術の進歩と普及が著しく、『QOLの重視』という時代の流れは泌尿器科に向かっています。一方、泌尿器科の守備範囲は尿路性器癌、尿路感染症、排尿機能障害、腎機能障害、尿路結石、男性不妊症、性機能障害など様々な病態にわたり、それらに対応しなければなりません。当教室では臨床はもとより、その基礎研究にも力をいれていますが、大学における研究の多様化と関連病院からの人員の需要拡大から医局員の絶対的数が不足しており,将来泌尿器科専門医を目指す人材を広く募集しています。

次世代を担う若き医師たちへ 泌尿器科医を目指そう

I.泌尿器科研修を希望される方

卒後臨床研修必修化にともない、そのシステムは大きく変わりました。しかし、宮崎大学医学部附属病院では以前からスーパー・ローテート方式の研修システムを採用しており、多くの研修医が泌尿器科において有益な臨床研修経験を積んできました。われわれ泌尿器科スタッフも若い研修医とともに仕事することを喜びとしており、多くの新人医師が宮崎大学医学部附属病院泌尿器科ならびにその関連病院泌尿器科において研修されることを希望します。

II.後期研修を希望される方あるいは
泌尿器科への入局を希望される方

現在、宮崎大学医学部泌尿器科学講座は、准教授1名、講師2名、助教6名、医員2名、計11名と少数ですが、その分一層活動的に診療、教育、研究に日々従事しています。
大学病院における研修の特徴は泌尿器科全般の知識を習得し、専門分野の臨床研修を行うことで、さらに最先端の高度医療を身につけることができ、それに加えて、臨床と基礎を結びつける研究に接することも可能な環境が備わっている点です。臨床研究を経験することにより、臨床医としての幅広い知識と論理的な思考力を身につけることができるようになります。
宮崎大学医学部泌尿器科では後期研修過程で、幅広く泌尿器科専門医を目指せるように下記のプログラムを用意しています。
日本泌尿器科学会では、「泌尿器科専門医を取得するための研修期間」として、卒後臨床研修2年間+泌尿器科専門研修4年間の合計6年間と定め、専門医研修期間4年のうち2年間は専門医基幹教育施設での研修を義務づけています。私たちの関連病院の多くは専門医基幹教育施設になっていますから、泌尿器科での後期研修は大学病院を含む関連病院で行いますので、泌尿器科専門医までの研修を安心して受けることができます。さらに指導医修得までの5年間(計9年間)の研修を私たちが支えられるように考えています。

宮崎大学医学部泌尿器科での
後期研修の概要について

宮崎大学医学部泌尿器科教室での「泌尿器科専門医を養成するための卒後研修・教育システム」を説明します。宮崎学医学部泌尿器科における専門医研修は次の3つのコースに分けられると思います。
下の説明図にその概略を示します。

宮崎大学医学部泌尿器科での後期研修の概要について
学位⋅専門医習得(大学院先行)コース

本コースは卒後臨床研修が終了後、大学院に入学し学位習得後に泌尿器科専門医をめざす医師を対象としたものです。大学院在学中の研修については、泌尿器科専門研修に従事したことを研修実施施設の指導医が証明する限りにおいては泌尿器科大学院在学中の2年間を限度に専門医の研修期間として認められますので、大学院卒業後、宮崎大学医学部附属病院泌尿器科およびその関連施設における最短で2年間の専門医教育終了時点で、日本泌尿器科学会専門医を取得できます。

学位⋅専門医習得(臨床先行)コース

本コースは卒後臨床研修を終了後、泌尿器科専門医研修を開始し、その数年後に大学院に入学するものです。泌尿器科医としての専門医研修を数年受けることは、泌尿器科学の基礎を学べ、泌尿器科診療の現状の理解につながります。この研修期間に気付いた問題点を抱き、臨床経験に基づいた独自の道を開拓すべく大学院に進学できます。社会人選抜大学院生においては、主たる業務が臨床泌尿器科医であれば、4年間の大学院学生期間のすべてが専門医制度の研修期間として認められます。(なお、大学院学生の期間に疑問のある場合は審議会の審議で決定されます。)研修期間として不足分は宮崎大学医学部附属病院泌尿器科およびその関連施設で専門医教育を受け、プログラム終了時点で日本泌尿器科学会専門医が取得できるよう養成します。

専門医習得コース

本コースは2年間の卒後臨床研修を終了後、泌尿器科専門医をめざす医師を対象とし、宮崎大学医学部附属病院泌尿器科および関連施設における4年間の専門医教育を受け、この教育プログラム終了時点で、日本泌尿器科学会専門医を取得できるように養成します。泌尿器科領域は外科治療が必要な領域と内科的な治療が主体となる領域など多彩な診療領域を含みます。専門医養成プログラムにおいては、将来志望する領域にかかわらず、泌尿器科学の全領域を修練することを目標とします。将来的に泌尿器科手術の大半が鏡視下手術になることが予想され、鏡視下手術を含む内視鏡操作の習得も必要であります。2004年度から「内視鏡手術技術認定制度」が導入されており、この認定も目標の1つになります。