第3期がん対策推進基本計画の中で「国は医療従事者が患者に対して治療前に正確な情報提供を行い、必要に応じて、適切な生殖医療を専門とする施設に紹介できるための体制を構築する。」と定められました。妊孕性(にんようせい)温存療法は乳がんや白血病など生殖年齢、それ以下の年齢の方で抗がん剤や、放射線療法により卵巣機能、精巣機能が低下する恐れのある方が対象となります。
宮崎県においても令和4年1月22日に宮崎県がん・生殖医療ネットワークが構築されました。これは県内全域より妊孕性温存療法に対するカウンセリングを希望する方に宮崎大学にてカウンセリングを行う事から開始されます。実際の受精卵保存、精子保存は医療認定を受けた宮崎市のやまうちARTレディースクリニックで保存を行います。がん治療前の妊孕性温存目的の受精卵保存に関しては約20万円、精子保存に関しては約6万円の費用助成が行われます。費用助成については、宮崎県の健康増進課(電話0985-44-2621 担当:唐崎、熱田)が窓口となっています。
カウンセリングの内容は抗がん剤、放射線療法にてどの程度の卵巣機能、精子機能抑制が予想されるかをお話しします。抗がん剤ではエンドキサン等のアルキル化剤のリスクが高いと言われています。また精巣機能は卵巣機能に比べて放射線療法の影響を受けやすい事もお話しします。将来に子供が欲しいか、あるいは結婚するか否かも未定の方においてはがん治療の事で頭がいっぱいになっている事もあり、カウンセリング外来はそのような方の意思決定を支援するものである。
院外からの申し込みに関しては、本院の初診予約申込書に「宮崎県がん・生殖医療ネットワーク 診療情報提供書」を付けてもらい総合予約室で予約を受け付けています。詳細は、本院ホームページをご確認ください。
大学病院院内予約は電子カルテ(コンサルト)で「生殖カウンセリング」で予約を取ります。希望される患者さんは主治医の先生へご相談ください。
【予約枠】 月、水、金 13時-16時
【費 用】 初診料込みで5000円
院内紹介患者に関しては患者支援センターにて 「がん・生殖医療」に関する相談に対応しています。