声の病気

音声外来では声が嗄れる、発声しにくいなど声の障害(音声障害)に対して診療を行っています。
電子スコープ、ストロボスコピーや音声機能検査、コンピュータによる音響分析などを使用して専門外来で詳しく診断し、症例に応じて音声の改善を図る音声外科手術を行っています。

対象疾患

声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯、声帯嚢胞、喉頭肉芽腫、喉頭乳頭腫、反回神経麻痺、声帯萎縮、声帯溝症、機能性発声障害、痙攣性発声障害、心因性発声障害など

検査

  1. 喉頭電子スコープ:声帯の動き、声帯の状態を観察し、動画で撮影を行います。
  2. ストロボスコピー:発声時の声帯の粘膜の振動を撮影します。
  3. 音声機能検査:声の高低、大きさ、声の効率を計測します。
  4. 声の録音・音響分析:音声を録音し、音響分析ソフトを用いて解析、評価します。

手術

音声障害に対しその原因を精査した後,手術が必要と考えられる場合には、以下のような手術を行います。

  1. 喉頭形成術(甲状軟骨形成術,披裂軟骨内転術等):反回神経麻痺で片方の声帯が動かなくなってしまった場合や、声帯の萎縮などで声帯の間に隙間を認める場合には、手術で声帯を中央に寄せることで発声機能を回復させます.特に隙間が大きく嗄声がひどい場合には、披裂軟骨内転術を積極的におこなっています.手術は全て局所麻酔で行い、声を出してもらいながら納得した時点で手術を終えます。
  2. 喉頭微細手術:声帯ポリープなどを切除します。全身麻酔下に行います。
  3. 声帯内注入術:声帯の萎縮に対する治療として,アテロコラーゲンの声帯注射を行っています。声帯内注入術は外来通院での試行が可能です。

対象疾患紹介

具体的には以下のような疾患に対し、治療を行っています。

声帯ポリープ・声帯結節・ポリープ様声帯・声帯嚢胞

声帯ポリープ・声帯結節は教師、インストラクター、歌手などの職業的音声使用者に多く見られます。声の酷使・乱用・誤用も原因のひとつです。ポリープ様声帯は喫煙との関与が強いことが分かっています。これらの疾患に対してはまず声の衛生について指導を行います。経過を見て改善認めない場合には、直達鏡下の喉頭微細手術を行います。手術は全身麻酔かに行いますが、短時間の手術です。術後1週間の発声を禁止します。そのため多くの症例では術後1週間程度の入院を要します。

反回神経麻痺(声帯麻痺)

声帯麻痺は、声帯の運動に関わる反回神経の障害によって引き起こされ、嗄声や誤嚥をきたす疾患です。原因には様々なものがありますが、最近では手術後の反回神経麻痺が増えてきています。治療は声帯にコラーゲンを注入する方法や、局所麻酔下に頚部に小切開を行い、声帯を中央に寄せる喉頭形成術があります。コラーゲンの注入は外来での施行が可能ですが、効果が長続きしないので、手術が困難な方に限って行っています。手術を行う場合入院期間は通常、一週間程度必要です。

声帯萎縮

声帯萎縮は声帯の動きには問題がないものの、声帯が細くやせてしまったために声を出す時に声帯に隙間があいてしまい、声がかすれる病気です。原因は加齢による影響が大きいですが、嗄声がひどい場合にはコラーゲンの注射や、声帯麻痺と同じような喉頭形成術を行っています。

喉頭肉芽腫

喉頭肉芽腫は、声帯の後ろの方や声帯突起部などにできる隆起性の病変です。腫瘍ではありませんが、サイズによっては声がれやのどの違和感を生じます。習慣的な強い発声、気管内挿管(全身麻酔)などの物理的刺激、胃酸の逆流などが原因となります。手術では高率に再発するため、一般的に保存療法を行います。

喉頭乳頭腫

喉頭乳頭腫は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって起こる、良性の腫瘍です。喉頭のあらゆるところに生じますが声帯に生じやすく、その場合声がれが起こります。乳頭腫自体は本来良性ですが、再発することが多く、治療に難渋することが多く、臨床的には悪性と考える事があります。症例によっては数十回に及ぶ手術が必要な場合もあります。また、数%の割合でがん化することもあります。治療は、手術による切除、レーザーでの蒸散が主流です。

痙攣性発声障害

痙攣性発声障害は、声が途切れたり、詰まったりして発声が困難となる病気です。声帯自体には異常を認めないので、正しく診断されず、原因がわからないまま長年経過している患者さんも少なくありません。当科ではその診断に加え、適切な治療を積極的におこなっています。病気の本体は声帯におこる局所ジストニアと考えられており、その根本原因を治療することは困難です。しかし、実際に問題となる声の途切れ、つまりに関してはわが国でもいくつかの治療がおこなわれております。当科では痙攣性発声障害に対して喉頭形成術Ⅱ型を行っています。局所麻酔下に頸部に小切開を加え、喉頭の軟骨を広げることで声の詰まりを軽減させます。

機能性発声障害

上に書いた疾患以外に声帯に異常がなく神経にも問題ないのに、声がよくないといった、機能的な発声障害もあります。代表的なものとして、心因性発声障害、声変わり障害があります。声変わり障害のほとんどは男性であり、成長過程の不均衡が原因です。音声治療によりほとんどが改善します。またストレスなどの心因性の影響で声が出なくなることがあり、この場合にも音声治療を中心として対応しています。

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