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医師のための診療業務指針

平成19年3月28日 制定
改正 平成24年10月10日
改正 平成29年11月15日

宮崎大学医学部附属病院における医師のための診療業務指針

本院に勤務する医師は,本院の理念・基本方針,患者さんの権利,職業倫理,臨床倫理指針及び本業務指針に基づいて,宮崎県における唯一の特定機能病院として,高度で専門的かつ安全な医療を提供する。
また,医学部附属病院として,学生ならびに卒後臨床研修医の教育研修体制の充実を図る。

(診療上の方針)
  1. 総合病院としての機能を最大限に発揮した診療を提供する。
  2. 地域の医療機関等と綿密な連携に基づく診療を提供する。
  3. 複数の専門医からなるチームとして,診療を担当する。
(チーム医療の遂行)
  1. 診療科の科長,副科長,病棟医長,外来医長,主治医,担当医,および受持研修医は,協力して患者の診療にあたる。診療チームまたは診療科としての意思決定は,医療の質の向上と安全性の確保に不可欠である。
  2. 医師は,コメディカル・スタッフと協力して患者に質の高い医療を提供しなければならない。医師は,コメディカル・スタッフからの診療要請に速やかに対応し,結果をコメディカル・スタッフと共有する。
  3. 主治医は,患者の診療にもっとも責任を有する医師とする。
  4. 担当医は,主治医の診療を補佐する。
  5. 研修医が診療に参加するときは,受持研修医として常に上級医または指導医の下で診療行為を行う。
  6. 主治医,担当医および受持研修医は,毎日担当患者を診察して病状を把握し,所見を診療情報録に記載するとともに,患者の要望に誠実に対応する。
  7. 科長は,少なくとも週1回は入院患者を回診し,個々の医師の診療情況を把握して,助言と指導を行う。科長が不在のときは,副科長が代行する。
  8. 病棟医長は,主治医および担当医の病棟における診療活動が円滑に行われるように補佐する。
  9. 外来医長は,外来における診療が円滑に行われるように活動する。
(緊急時の対応)
  1. 診療科長,副科長,病棟医長,外来医長,主治医,および担当医は,可能な限り連絡先を明らかにしておく。
  2. 主治医および担当医は,深夜,休日を問わず,緊急的な連絡を受けたときは,出勤して診療にあたらなければならない。主治医または担当医が対応できない場合には,当該診療科の他の医師が診療業務を遂行しなければならない。
(診療方針の決定)
  1. 診療科長は,主治医,担当医,その他の医師を含めて少なくとも週1 回はカンファランスを開催して,すべての患者の診療上の基本方針を討議・決定する。主治医および担当医は,決定した方針にしたがって診療を遂行する。
  2. 診療科長は,患者に侵襲を伴う診療行為(手術,検査等)を行う場合,あらかじめカンファランスを開催して基本方針を討議・決定する。必要に応じて他診療科の医師またはコメディカル・スタッフの意見を聞き,方針決定の参考にする。
  3. 医師は,予定の診療行為が適切でないと判断したときは,カンファランス等でその旨を表明しなければならない。
  4. 主治医および担当医は,担当患者の病状に変化を認め,診療方針の再検討が必要になり,かつカンファランスで討議する時間的余裕がないときは,診療科長,副科長または病棟医長・外来医長と討議して診療方針を変更する。
  5. 主治医または担当医は,診療方針および診療計画を患者に伝える。変更になったときも,その理由と変更後の方針を説明する。
(説明と同意の取得)
  1. 医師は,患者本人に対して患者の病状,診療計画,検査結果,治療内容等を適宜説明しなければならない。小児や意識障害,知的障害,精神的問題を有する患者,あるいは説明することが診療上有害と判断される患者には,保護者(または代理人)に十分に説明して理解を得る。
  2. 医師は,患者に侵襲を伴う診療行為(手術,検査等)を実施するときは,病状を説明するだけでなく,当該診療が必要な理由,具体的な内容,予想される身体障害と合併症,実施しないときに予想される結果,他の手段とその利害得失,実施後の一般的経過等を説明し,同意を得なければならない。ただし,緊急事態で同意を得る時間的余裕のないときは,この限りでないが,事後に説明を行い同意を得る。
  3. 医師は,患者に重要な説明を行うとき,患者の同意が得られるならば患者が信頼する家族を同席させることが望ましい。また,医師以外のコメディカル・スタッフを立ち合わせることも考慮する。
  4. 医師は,経験の少ない診療行為を実施する際には,その旨を患者に伝え,準備情況を説明する。患者が希望するときは,経験豊かな医療機関を紹介する。
  5. 医師は,同意書に署名を求めるときは,患者が他医療機関の医師の意見(セカンド・オピニオン)を聞くことができること,その際には必要な資料を提供することを伝える。
  6. 医師は,説明直後に同意書に署名を求めることを極力避ける。患者が家族あるいは知人と十分に相談できるよう配慮する。
(記録)
  1. 主治医は,入院診療計画書に担当患者の診療計画等を記載して患者に説明する。
  2. 診療科は,開催したカンファランス等の記録(日時,場所,出席者及び討議内容を記載)を作成する。
  3. 医師は,侵襲を伴う診療行為(手術,検査等)の施行にあたり,患者から同意を得るときは,その詳細な説明内容を診療情報録に残す。
  4. 医師は,患者を診療したとき、所見等を速やかに診療情報録に記載する。記載の仕方は,「CUMNAVI運用管理マニュアル」に従うが,患者や家族へ開示することを考えて平易な日本語で記述する。患者退院後は,2週間以内に退院時サマリを作成して診療情報管理士の監査を受ける。
(患者死亡時の対応)
  1. 医師は,患者が死亡したとき,遺憾の意をもってその旨を家族へ伝える。
  2. 医師は,患者の家族に死因について可能な限り説明しなければならない。
  3. 医師は,診療結果を検証するため,患者の家族に病理解剖を提案することが望ましい。
  4. 医師は,異状死が疑われるとき,当該診療科のリスクマネージャーを通して速やかに医療安全管理部へ報告する。病院長が異状死と判断したときは,24時間以内に所轄警察署へ連絡して,死因の解明を警察にゆだねる。
(診療指針と成績の公表)
  1. 診療科長は,当該診療科が扱っている主要疾患についての診療指針を明文化して公表する。ただし,診療指針に定めた診療行為は,あくまでも選択肢の一つであって,他の選択肢を提示せずに患者に押しつけてはならない。
  2. 診療科長は,主要疾患についてのデータベースを作成し,期間を決めて診療成績等を評価した上で,学会および学術雑誌等に公表して医学の進歩に寄与するとともに,診療の質の向上に役立てなければならない。
  3. 診療科長は,当該診療科の診療の質を高く保つために,扱っている主要疾患についての情報を収集し,医師やコメディカル・スタッフと共有する。