宮崎大学 医学部 内科学講座 神経呼吸内分泌代謝学分野(第3内科)

研修案内

糖尿病・代謝内科

はじめに

近年、糖尿病症例は増加の一途ですが、合併症がかなり進行して初めて自覚症状が出ることがほとんどのため、治療を受けたことがない例や、治療中断例も多い疾患です。糖尿病の合併症は、失明、透析、壊疽による足趾や下肢の切断、脳卒中や心筋梗塞のみならず、膵癌などの悪性腫瘍、認知症、歯周病のリスクも高くなります。患者数が極めて多い上に、全身のさまざまな合併症を起こし得る疾患であり、幅広い知識を有した医師が求められています。

糖尿病治療の未来

糖尿病は、基礎および臨床研究も盛んですが、その結果から新規治療薬が創薬されることも稀ではありません。近年も次々と新規作用機序で血糖降下作用やプラスαの作用を持つ薬剤が上市され、将来的には1型糖尿病を根治できる膵島やβ細胞を増やす、または作出する技術も実現すると予想されています。

糖尿病診療の醍醐味

糖尿病領域では、急性期のバタバタする事はケトアシドーシスや大血管障害発症時など比較的限られ、基本的には各症例を長期間フォローすることになります。各症例の生活習慣そのものが血糖コントロールや合併症の発症・進展に色濃く影響するため、症例ごとの個性を考慮しつつ、あの手この手で介入し続けます。中には薬剤を使用せずとも著明に改善する方もおり、その様な症例を増やすことが我々の喜びでもあります。また、この領域は医師だけでなく、看護師、栄養士、運動療法指導士などのコメディカルの影響力も大きいため、協力して診療に当たることが必須です。近年は、経口薬や注射製剤などの新規薬剤が続々と登場しており、それらをうまく使い分けることも腕の見せ所です。また、多くの糖尿病症例に福音をもたらす可能性のある基礎・臨床研究により、成果が出たときの喜びも味わってもらいたいことの一つです。

最後に

各症例とじっくりと向き合い、上手に患者さんを「操縦」しながら、長期間フォローアップするというスタンスが好きな先生、宮崎にはまだ不十分な治療しか受けていない方や、糖尿病の診断すら付いていない患者さんがたくさんおられますので、若い力でそれを一緒に改善していきましょう。また、宮崎から基礎・臨床研究で新しい知見を発信していきましょう。

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