第20回九州遺伝子診断研究会に寄せて
九州遺伝子診断研究会会長
梅北邦彦
初夏の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素より本研究会の運営にご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。
本研究会は、九州地区における臨床検査医学、とりわけ遺伝子診断の発展と普及を目指し、先達の熱意と協力のもとに歩みを進めてまいりました。第20回を迎える本年も、地域医療に貢献する実践的な遺伝子検査の体制構築と、これからの展望について幅広く議論を深める機会としたく、現地開催にて実施する運びとなりました。
現在、がん・希少疾患・生殖医療・感染症など多岐にわたる分野において、遺伝子関連検査が保険診療として実施されるようになり、ゲノム医療の実装が確実に進んでいます。さらに、今後はエピゲノムやオミクス解析技術の導入が進むことで、より高度かつ個別化された医療の展開が期待されています。その一方で、これらの進展に即応した専門性と技術を持つ医療人の育成や、情報の共有、体制の整備がこれまで以上に重要となってまいりました。
本研究会では、「遺伝子診断技術と臨床検査の未来」をテーマに掲げ、日々進化する遺伝子関連検査の最新情報とその課題について深く掘り下げる場といたします。各分野の第一線でご活躍されている講師の方々によるご講演を通じて、参加者が知識を深め、実臨床や検査体制の質的向上につなげられることを期待しております。
本会は専門職の枠を越え、職種や施設にとらわれずに自由闊達な意見交換ができる場として、これまで多くのネットワークと信頼を育んでまいりました。第20回の節目を迎える今回も、参加される皆様にとって有意義な時間となりますよう、活発な議論と温かい交流が生まれることを心より願っております。
末筆ではございますが、本研究会の趣旨にご賛同いただき、運営に際しまして格別のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げるとともに、皆様のますますのご健勝とご発展をお祈り申し上げます。