その他

医の倫理

 


宮崎大学医学部および附属病院における「医の倫理」に関する考え方と取り組み

本学医学部および附属病院では、<いのち>を預かる立場にある者として「医の倫理」を根幹に据え、「教育」「診療」「研究」の3つの場面において、常に「ヒポクラテスの誓い」の時代から連綿と受け継がれる伝統的な「医の倫理」の精神と、「ヘルシンキ宣言」をはじめとする現代の新しい「生命・医療倫理」に関する基本原則を、決して忘れてはならないと考えています。

「教育」の場における「医の倫理」-体系的な「倫理教育プログラム」の実践

医学科では、1年次の共通教育における倫理教育だけでなく、専門教育においても「生命倫理入門」や2年次の「臨床倫理基礎論」を必修科目とし、また4年次でも「臨床腫瘍学」「臨床遺伝学」等の専門科目の中に「告知のスキルと臨床倫理」「遺伝カウンセリングと倫理」など、倫理教育のプログラムを体系的に導入しています。さらに、臨床学年においてこそ倫理教育の充実が不可欠であるとの見地から、全国に先駆けて平成15年度から、6年次のクリニカル・クラークシップ(臨床参加型実習)においても「臨床倫理」実習コースを設置しています。また、看護学科においても病棟実習を終えた最終学年の4年次に看護実践に活かすための「生命倫理」を必修科目とすることで、以下のような本学医学部における「倫理教育目標」を達成することを目指しています。

  • 医学部における倫理教育では、単に「知識」としての倫理原則をふりかざしたり、自分の価値観を押しつけたりするのではなく、患者さんやご家族の思いに共感できる倫理的感性を磨き、医療チームのメンバーと協力しつつ、主体的に問題解決の方策を探る倫理的推論と倫理的判断力を育成することを目標とする。

「診療」の場における「医の倫理」-「臨床倫理」の課題に実践的に対応するために

現代における医学の進歩や医療技術の発達が新しい治療法を生み出し、救える<いのち>が増えた一方で、伝統的な「医の倫理」では解決できない新しい「倫理的問題」が登場するようになりました。終末期医療における延命治療の差し控え・中止などの「尊厳死」の問題や、出生前診断、遺伝子診断等をめぐる「倫理」問題など、こうした「臨床倫理」の課題には、ただひたすらに「患者のために」という善意から、医療従事者が“粉骨砕身、懸命に身を捧ぐ”だけでは、もはや対応できなくなっています。
そこで、臨床の現場において、病院職員(医師だけでなく、看護師、薬剤師等のコメディカル・スタッフや、事務職員も含みます)が直面する臨床倫理の問題を組織的に検討する場として、附属病院内に「臨床倫理委員会(Clinical Ethics Committee)PDFファイル」を設置し、本院において患者さんに提供する診療が、真に「倫理的」であるために尽力していきます。

1.「臨床倫理委員会」とは?

「臨床倫理委員会」は、宮崎大学医学部附属病院「臨床倫理指針PDFファイル」に基づき、病院職員が提供しようとしている治療やケア等が、患者さんにとって不利益となったり、患者さんの人間としての尊厳を侵害するものにならないように検討し、その審議内容を病院職員に通知・助言することで、医療の質を改善する役割を担っています。迅速な対応が必要な場合は「臨床倫理コンサルテーション」による対応を行います。

2.「臨床倫理コンサルテーション」とは?

現場の医師や看護師等すべての病院職員が「倫理的ジレンマ」に悩んだとき、独りで抱え込んでしまわないように「倫理相談」に応えるためのものです。

【「臨床倫理委員会」と「臨床倫理コンサルテーション」の流れ】


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※臨床倫理コンサルテーションシートはこちらからダウンロードできます。