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平成23年1月4日新年のご挨拶
明けましておめでとうございます。皆様お揃いでよいお正月をお迎えのことと存じます。 宮崎大学医学部附属病院では、昨年の5月から新外来棟が稼働し、また病院再開発のため病棟が 移動するなど、あわただしい一年でありましたが、病院職員の皆さんの努力と協力により計画も 順調に進み、新しい年を迎えることができました。改めて御礼申し上げます。 特に昨年5月の連休明けにスタートした新外来棟につきましては、各診療科の先生をはじめ、 それぞれの担当部署の皆さんに朝早くから外来に出ていただくなど、患者さんが新しい外来診療システムに 戸惑われないように努めていただきました。おかげさまでスタート当初から大きなトラブルもなく スムースに稼働することができています。 病院再整備は今年も引き続き行われます。もうすでに、病棟や医局等の仮設施設への移動を お願いしているところもあり、大変なご不便を掛けていることと思います。診療を続けながら行う 病院再整備計画なので、何かと大がかりな作業が必要になりますが、患者さんへの迷惑を最小限に 抑えて、事故などに繋がらないよう引き続き皆さんのご協力をお願いいたします。 さて、わが国の医療を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いています。しかしながら 宮崎大学医学部附属病院では、病院職員の皆さんの医療人としての誇りと情熱によって、宮崎県に おける医療の最後の砦としての役割を果たしてもらっています。その結果、病床稼働率は昨年 も90%を超える状況が維持されました。それに応じて病院収入は経営的な観点からも良好な状況 を保つことができています。この結果を病院職員の皆さんへできるだけ還元して職場環境の改善 と医療安全の確保へ繋いで行きたいと思っています。今年4月からは医師を増やす手立ての一つとして 、卒後臨床研修を終わった人で各診療科への新入局を希望する人については、入局後の1年間は 定員数を設けずに何人でも入局してもらえるようにいたしました。各教室の医局長や新入医局員勧誘担当者の 先生方は大いに頑張って、医員の確保に努めていただきたいと思います。また第2の手立てとして、 他の大学や病院などから中途で宮崎大学の診療科に入局を希望する医師がおられましたら、 医員としての採用を進めていただきたいと考えています。ただしこれには、宮崎県下の様々な 医療施設から「医師引き上げだ」という非難の声非難の声が出たり、あるいは医師不足による 地域医療崩壊の引き金にならないような配慮を十分していただけるという状況が整っている場合に 限らせてもらいたいと考えています。この点につきましても各診療科の医局長さんの奮闘に 期待したいと思います。 また、現在の病院機能をさらに充実し、医療の安全性を高める意味でも、医師以外の分野の職種に ついても、必要と判断される場合には適宜増員して強化して行きたいと思います。病院職員の増員に ついては、時節柄色々と困難な部分もありますが、病院機能をフル稼働して頑張っている職員の皆さんへ のフィードバックは病院全体の活性化と医療安全の確保、そしてさらには一人一人のやる気の問題として 極めて重要なことだと思いますので、その流れを押し進めて行きたいと思います。 さて、私たちは宮崎県の医療の中心、そして最後の砦としての役割を果たさなければなりません。 現在、宮崎県民から求められている医療の一つに大学病院の救急部の充実があげられます。昨年政府が 打ち出した地域医療再整備計画のための臨時交付金で、宮崎県からは大型の予算を大学病院救急部の 整備拡充のために当ててもらいましたので、今年は救命救急センターの整備に取り掛かかって参ります。 そのためにはまずは救急医療に率先して当たってもらえる医師の確保が必要ですので、宮崎県ゆかりの ドクターで、全国各地で救急医療に活躍している医師への呼びかけを始めています。ドクターヘリの 就航計画も救命救急センター構想と平行して進めていかなければなりませんが、これについても 現在事務局を中心に地域と連携するために必要な手続が進められています。 救命救急センターがうまく稼働するためには、もちろん救急部の専任ドクターにしっかり頑張って もらわなければなりませんが、病院全体でのバックアップも不可欠です。今のところ平成24年度に センターがスタートする予定ですが、これまでの体制とは異なった新たなシステムを構築したいと 思っています。各論についての議論は宮崎県や県医師会を含めて、これから大学病院内でも詰めて いかなければなりませんが、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。 昨年発足して活動を続けています地域医療学講座と新たにスタートする救命救急センターが 宮崎県全体を医療のフィールドとして有機的に結びつき、さらには卒後臨床研修センターと 医学教育改革推進センターとも連携した新たな機能が病院内に創設されるよう頑張りたいと思っています。 そしてさらに病院全体としては、既存の診療各科が既に備えている専門性の高い高度医療の提供と 臨床研究の推進とが相まって、宮崎県の医療の中心としての大学病院の役割がさらに発展するよう 期待したいと思います。 さて、最後に大学病院は高度な医療を提供する病院として位置付けられていますので、重症患者さんの 治療が日常的に行われています。最近の進歩した医学の知識や技術を患者さんへの医療として展開して いくことに躊躇があってはなりません。そのためには大学病院に勤務する全ての人が医療安全の キーワードで結ばれていることが要求されます。病院で行われる全ての行動が医療安全の視点から 底支えされている必要があります。かつては単一の診療科で完結していた患者さんへの治療も、 現代医学の場にあっては、関係する多くの診療科の十分な横の連携があって、重症患者さんや 高度な医療を必要とする患者さんへの、本当の医療が初めて可能になりことが少なくありません。 宮崎大学医学部附属病院では、いままで以上に各診療科の垣根を越えた連携と協働体制を確立して、 宮崎県民から真に必要とされれ、信頼される大学病院となるよう、今年も皆さんと一緒に頑張っ ていきたいと思います。どうぞよろしくお願いしたします。 それでは、今年一年が皆様にとって、そして病院にとっても良い年になりますよう祈念いたしまして、 念頭のご挨拶といたします。 |
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