一般X線撮影部門

一般撮影について

 一般撮影とは、X線を用いて胸部(肺)や腹部、骨格系の写真などの撮影を総称して言っています。

 X線は、人体等を透過する力が強く、また骨や筋肉などの組織の違いによってその透過力が異なってきます。この透過したX線をフィルムに感光させることで白黒の濃淡から異常病変や骨折などを写し出すことができます。

 当院では、一部を除き近年普及しているCRシステム(Computed Radiography)を導入しています。これは、フィルムの代わりにイメージングプレート(IP)という記憶媒体を用いるシステムであり、X線の記録情報がデジタルとなるために撮影した画像をコンピュータを用いて最適に処理を行い、レーザーフィルムに出力することが可能となりました。また撮影後でも画像の拡大や濃度の調整により写真を作り出すことができ、さらにディスクに保管することもできます。

放射線情報システム
レーザーイメージャー
画像読取り装置

 一般撮影検査で使用するX線の量は極々微量であり、人体に何らかの影響を与えるものではありません。むしろ検査により画像情報を得ることの方が重要であると考えていただいた方がよろしいと思います。もし撮影検査での疑問点や御心配な事がございましたら、どうぞ遠慮なく受診された診療科の医師もしくは診療放射線技師にお尋ねください。

検査説明および検査での注意並びに協力していただく事

胸部立位正面像 胸部立位側面像
胸部・腹部立位撮影装置
腹部立位正面像

*胸部撮影は、肺の様子や心臓の大きさを観る目的で行います。
*腹部撮影は、おなかのガスの状態や結石の有無などを主に観る目的で行います。

鎖骨骨折写真
前腕骨骨折正面像
骨格系撮影装置
耳鼻科領域(シュラー氏法) 前腕骨骨折側面像

*上記の装置は、整形外科領域の骨や関節の撮影が主になります。また、他に耳鼻科および口腔外科領域などでも幅広く用いられています。

パントモ装置 歯牙撮影装置
正面像 側面像
セファロ写真
セファロ(頭部規格撮影装置)


*パントモ撮影は、主に歯全体の様子や顎の関節、上下顎骨の状態を観る目的で行います。
*デンタル撮影は、口腔内にフィルムを入れて目的の歯の状態を観る目的で行います。
*セファロ撮影は、歯科領域での歯列矯正治療などを行う際に用いられます。

乳房撮影装置

*乳房撮影は、乳房組織、その隙間をうめる間質や脂肪などの軟部組織を低エネルギーの専用装置を用いて、腫瘤や微小な石灰化を描出する目的で行います。

足関節側面断層写真 頸椎側面断層写真
多軌道断層装置

*断層撮影は、目的とする深さの部分(位置)以外を幾何学的、機械的にぼかすことにより検査部位の細部を精密に撮影することができます。主に骨・関節などに用いられます。

骨塩定量測定装置

*骨塩定量測定は、主に骨ミネラル成分に関する海面骨を多く含む腰椎を目的とし、性別・年齢による標準的な値と比較して骨密度の状態を知るために行います。この検査により骨粗鬆症の有無を知ることができます。

ポータブル装置

*病棟でのポータブル撮影は、体調の悪い患者さまのいる病棟へポータブル装置を運び、胸部や腹部などの撮影を行います。